◆赤外顕微鏡(顕微IR、IR顕微鏡)とは?簡単な原理説明
メーカーによって赤外顕微鏡、顕微IR、IR顕微鏡など様々な呼び方があります。大まかな原理はFTIRと同じですが、アパーチャーやカセグレンを使用することで赤外光を試料に集光し、高感度の半導体検出器で吸収光(透過または反射光)を検知します。これにより顕微IRは、FTIRよりも小さな、マイクロサイズのサンプル部位の赤外吸収スペクトルを測定することが可能です。
主な用途は、ゴム、プラスチック、繊維、生物試料等の微細なサンプルの定性・定量であり、非破壊・非接触で測定を行うことも可能です。 また、一部の装置では、画像的な処理(イメージングやマッピング)を行うことも可能で、物質の分散や濃度分布などの用途にも使用されています。
日本メーカーでは、日本分光、島津製作所、海外メーカーではアジレント、ブルカー、パーキンエルマー、サーモフィッシャー等が赤外顕微鏡の製造/販売をしています。
価格帯は500万〜3000万ほどで、装置のスペックやオプションによって様々です。
赤外顕微鏡は各メーカーにより、装置の販売形態が異なります。そこでここでは赤外顕微鏡を以下のように2通りの方法で分類しました。
<分類1:複合型赤外顕微鏡、一体型赤外顕微鏡>
複合型とは、 FTIR本体と結合して使用するものです。顕微鏡側には光源や干渉計、レーザーといったものが備わっていないため、顕微鏡単体では測定を実施することができません。(FTIRのページはこちら)
対して、一体型とは、赤外顕微鏡のみで使用するものです。顕微鏡側に全ての光学系が含まれているため、顕微鏡単体で測定を実施することができます。
<分類2:マッピング、イメージング>
多くの赤外顕微鏡は、測定結果を画像として得ることが可能です。その画像を得るための方法として、大きく分けるとマッピングとイメージングの2種類があります。
マッピングは一つの素子(ポイントディテクタ、検出に使われる素子が1つということ)を用いて検出を行います。そして、その素子を使って得た小さな画像を張り合わせて1つの大きな画像を構築します。
対してイメージングはリニア型の素子群、またはエリア型の素子群を使用して検出を行います。
イメージングは1回に複数の素子を使用して検出を行っていくため、1つの素子で検出を行うイメージングより圧倒的にスピードが速いという特徴を持っています。しかしながら、リニア型またはエリア型の検出器は非常に高価なため、イメージング可能な装置はマッピング可能な装置に比べ、価格が2倍から3倍になります(イメージング装置は定価ベースで2000万円〜)
<赤外顕微鏡一覧表>
<複合型赤外顕微鏡>
メーカー | HP | Web問合せ | 参考価格 |
日本分光 | 問い合わせ先 | ¥2,500,000~ | |
島津製作所 | AIM-9000 | 問い合わせ先 | 調査中 |
アジレント |
<販売終了> |
問い合わせ先 | 調査中 |
サーモフィッシャー | Continuum | 問い合わせ先 | 調査中 |
パーキンエルマー | 問い合わせ先 | 調査中 | |
ブルカー | HYPERION | 問い合わせ先 | 調査中 |
<一体型赤外顕微鏡>
メーカー | HP | Web問合せ | 参考価格 |
サーモフィッシャー | iN10、iN10MX | 問い合わせ先 | ¥9,400,000~ |
ブルカー | LUMOS II | 問い合わせ先 | ¥11,400,000~ |
日本分光 | 販売なし | – | – |
島津製作所 | 販売なし | – | – |
アジレント | 販売なし | – | – |
パーキンエルマー | 販売なし | – | – |
※iN10MX、iN10は、サーモフィッシャーのFTIRと組み合わせて複合型としても使用できます。(FTIRのページはこちら)
<マッピング(イメージングなし)>
メーカー | 鏡HP | Web問合せ | 参考価格 |
日本分光 | IRT-5200 | 問い合わせ先 | 調査中 |
島津製作所 | AIM-9000 | 問い合わせ先 | 調査中 |
アジレント |
<販売終了> |
問い合わせ先 | 調査中 |
サーモフィッシャー | ContinuumiN10 | 問い合わせ先 | 調査中 |
パーキンエルマー | 問い合わせ先 |
¥8,200,000~ ¥ 9,800,000~ (FTIR本体付き) |
|
ブルカー | LUMOS II | 問い合わせ先 | ¥11,400,000~ |
<イメージング可能>
メーカー | HP | Web問合せ | 参考価格 |
日本分光 | IRT-7100/7200 | メーカー問い合わせ先 | 調査中 |
島津製作所 | 販売なし | – | – |
アジレント | Cary 620 FTIR | メーカー問い合わせ先 | 調査中 |
サーモフィッシャー | iN10MX | メーカー問い合わせ先 | 調査中 |
パーキンエルマー | Spotlight400 | メーカー問い合わせ先 | 調査中 |
ブルカー | HYPERION | メーカー問い合わせ先 | 調査中 |
<近赤外イメージング>
メーカー | HP | Web問合せ | 参考価格 |
パーキンエルマー | Spotlight 400N | 問い合わせ先 | 調査中 |
<メーカー別総合ページ比較一覧>
メーカー | 装置への直リンク | Web問合せフォーム |
日本分光 | 顕微IR |
メーカー問い合わせ先 |
島津製作所 | 顕微IR | メーカー問い合わせ先 |
アジレント | 顕微IR | メーカー問い合わせ先 |
サーモフィッシャー | 顕微IR | メーカー問い合わせ先 |
パーキンエルマー | 顕微IR |
メーカー問い合わせ先 |
ブルッカー | 顕微IR | メーカー問い合わせ先 |
HORIBA | 終了 | – |
下記の情報もご参照ください。
FTIRはこちら
FTIRのアプリケーションはこちら
メーカーへの問い合わせ方法はこちら
分析機器を安く購入する方法はこちら 必見!分析装置購入時の注意点!! お役立ち情報
(参考)FTIRの詳しい原理説明