◆TEMとは?簡単な原理説明
透過型電子顕微鏡(とうかがたでんしけんびきょう、Transmission Electron Microscope; TEM)は、電子顕微鏡の一種である。
高電圧で加速された電子線を試料に照射して、試料を透過した電子を利用して観察する。
サンプルの構造や構成成分によって電子線の透過率が異なり、サンプル上の照射場所によりその密度が変わることを利用して、画像を取得することができる。
さらに、エネルギー分散型X 線分光装置(EDS)や電子エネルギー損失分光装置(EELS)等の装置と組み合わせることで、サンプルに含まれる元素の分析や状態解析までもが可能になる。 しかしながら、表面を観察するSEMと比較すると、照射した電子線が試料を透過することが前提となることから、サンプルは100nm以下の切片にする必要がある。
物理学、化学、工学で使用されてきたが、近年はサンプル作成方法の発達により生物学、医学などで幅広く用いられている。
また似た名前の装置としてSTEMがある。STEMはTEMの一種であるが、SEMと同じく絞った電子線を走査させて結像する。SEMはサンプルから放出される2次電子線を検出する。一方でSTEMはサンプル下部の検出器で、透過してきた電子線を検出する。
◆TEMの主な用途
金属や半導体、セラミックスなどの無機材料が多いが、冷却機構を備えた装置を用いた生体試料、微生物、細胞との観察にも用いられる。
◆様々な種類のTEM
TEMは大きく分けるとFE-TEM型、汎用型の2つに分類できます。両者の違いは以下の通りです。
>FE-TEMとは?
FE-TEMは、電界を利用して電子を取り出す電界放射型(Cold Field Emission)の電子線源を用いております。これにより、線源のサイズが小さいためビームを細く絞れる、輝度が明るいためS/N比の良い画像が得られる等の利点が得られ、数十万倍の倍率での観察も可能になっています。
>汎用型とは?
上述の電界放射型ではなく熱を利用して電子を取り出す熱電子放出型の電子線源を用いたSEMです。FE-SEMに比べ分解能等は劣りますが安価なため、幅広い分野に普及しています。
◆注目の技術!!クライオ電子顕微鏡とは?
2017年のノーベル化学賞の受賞テーマにもなったクライオ電顕とはどのような技術なのでしょうか。
◆価格帯
おおよその価格帯は以下の通りです
汎用型TEMは3000万円〜
FE-TEMは1億円〜
主なメーカーとしては、FEI ( Thermo Fisher Scientific)、日本電子、日立ハイテクノロジーズが挙げられます。
◆TEMのアプリケーション
こちらにTEMに関するアプリケーションをまとめています。
◆メーカー一覧表
<FE-TEM及びショットキー型>
メーカー | 装置への直リンク (URLをクリック!!) |
Web問合せフォーム |
日本電子 | JEM-3200FS JEM-ARM200F JEM-ARM300F JEM-2800 |
メーカー問い合わせ先 |
FEI | Titan Talos その他調査中 |
メーカー問い合わせ先 |
日立ハイテク |
HF5000 HF-3300 HD-2700 |
メーカー問い合わせ先 |
メーカーへの問い合わせ方法はこちら
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<汎用型TEM>
メーカー | 装置への直リンク (URLをクリック!!) |
Web問合せフォーム |
日立ハイテク | H-9500 HT7700 |
メーカー問い合わせ先 |
日本電子 | JEM-2100Plus JEM-1400Plus |
メーカー問い合わせ先 |
FEI | 調査中 | メーカー問い合わせ先 |
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(参考)TEMの詳しい原理説明